夏の始まり : 伊吹山 22013年07月12日




晴れていても伊吹山頂の天気はわからない

夏の花にはまだ早いこの時期。
下界は晴れていたが山頂には黒い雲がかかる。
           (撮影 7月1日 リコーCX‐3)




ヤマボウシ

孤独に点在するヤマボウシの樹形も咲き方も平地とは随分ちがう。
しぶきを上げる荒波のように圧倒的で激しい印象。
花色はすこし桃色がかって見える。




ハウチワカエデの赤い花

樹木の限界地点に屹立するハウチワカエデ(羽団扇楓)が印象的だった。
赤い花(実)。




ハウチワカエデとホオジロ

ちょっとスマートな体つきのホオジロが、ハウチワカエデで鳴いていた。
近づいても逃げない。
上空をハヤブサが通り過ぎて行った。




ホオジロ







雲が動き下界が見えてきた

雲が動くと下界が見えてきた。





イブキジャコウソウの群生はここだけ

前回から、イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)を探していたが
なーんだ、こんなところに群生していた。
でかいソフトクリーム看板のうしろとは……  花はまだのようだ。
中央はオオバギボウシだが、生え方に不自然さを感じるのは自分だけ?





マユミの花

これも、前回赤い実をたわわにつけていたマユミ(真弓)。今は花。





アザミとみつばち

アザミは種類が多くて正確な名前がわからない。ミツバチは恍惚のしぐさ。





なんというアザミだろうか?

はげしい棘、ぎゅっと寸詰まりの体型。ミヤマコアザミというのかもしれない。
鹿も食べないが、その強烈な棘がなんともカワイイ。
存在感、雰囲気はまさに「アザミ嬢のララバイ」? 今頃は満開かな。




 アザミとともに虫たちに大人気のカノコソウ(鹿の子草)4連発。
   
       上2枚の蝶はウスバシロチョウ。
カノコソウ
            



               
ウスバシロチョウ





カノコソウ






虫たちに人気 カノコソウ
                                                  以上、カノコソウと虫たち。





カラマツソウ

上品で華奢な風体のカラマツソウ(落葉松草)は、蕾もとってもかわいい。
細い花びらに見えるのは、実は全ておしべだと。




カラマツソウの蕾
カラマツソウのつぼみ。





エゾフウロ
 
エゾフウロ(蝦夷風露)かな? 一部花弁の切れ込み部分だけイブキフウロ!




エゾフウロ







キバナノレンリソウ

信長の頃、ヨーロッパからの薬草に紛れて伊吹山にだけ帰化したという牧草キバナノレンリソウ(黄花の連理草)。今が盛りだが、ちっちゃいからうずもれている。





クサタチバナと山頂駐車場

クサタチバナ(草橘)。山頂に荷を運ぶレールの向こうに駐車場が見える。






フウロとクサタチバナ

   伊吹山にはいろんな種類のフウロが咲いてて正直よくわからない。
   これはグンナイフウロ(郡内風露)かな。
   後ろは、クサタチバナ。





ニッコウキスゲ

風の強い山頂は、ニッコウキスゲ(日光黄菅)もこんなにクネクネ。
なんとか流いけばな みたい。






ヤマアジサイ

なぜだか安心感がただようヤマアジサイ。葉が赤いのは陽当たりが良いからか。






イブキトラノオ
                
イブキトラノオ(伊吹虎の尾)は、まだこれからが旬。






アカショウマ

地味だが凛としたアカショウマ(赤升麻)。この雰囲気がなんだか好き。虫たちも好きみたい。






外来植物ヒメジョオン

山頂のみやげもの屋の裏軒下に咲いていた。これが近年山頂に進入したという外来植物のヒメジョオン(姫女菀)だろうか。
色が濃いけど。




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これから8月にかけて伊吹山はベストシーズン。個性豊かな花々が次々と咲き乱れ、鳥や虫たち、そしてたくさんの登山客を迎えその心を洗う。

美しい地球を子どもたちに引き継いでいきたいと願わぬ人はいないと思うが、山頂から見る琵琶湖も山も田畑もくらしも、風上の若狭の原発に事故があれば簡単にすべて失ってしまう。そしてまた、この国ではだれも責任とらないし、危険性の指摘を圧殺し「原発は安全」と大量宣伝しながら国策としてボロ儲けしてきた面々が、裁かれることもない。(会社を裁く法律さえないことをJR福知山線の事故で知った)

私たちは経済成長というお経をもう半世紀も聞きながら、都会的な便利快適さを信奉し、「消費は美徳」を体質化し、それが幸せなんだと錯覚してきた。
この不自然な成長は、たった数十年でこの星の奇跡のバランスを根底から壊し始め、ひいては「経験したことのない」夏の猛暑や豪雨を生んでいる。

限りあるものを分けあうどころか子孫の生活や命まで担保に差し出し、目先の利益に呆ける。悪性新生物とは、こういった不自然な生物たちのことなのかも ?

山頂に祀られた「日本武尊」(ヤマトタケルノミコト)には、何が見えているのだろう…  エッ? 黒い雲でなんにも見えないって?!