建仁寺垣とニュードーン : 伏見 ― 2012年06月22日
たとえば代が変わったり、駐車場が必要になったり、バリアフリー化などと、その場所で根を張って暮らしていくために必要な改変。
住むひとに寄り添い、地域に落ち着きとうるおいをもたらす。庭の改修とは、きっとそうゆうこと。
Before
アンバランスな印象。巨大な中国製春日燈籠の迫力(圧迫力)が、ひたすら視線の前に立ちはだかって、なんだか落ち着きません。
↓
After
御香宮を氏神にまつるご町内。ご家族のライフスタイルやそのおはなしを聞くにつけ、2mを軽々と超える大きな中国製春日燈籠の扱いがネックになっていました。
日本の春日型燈籠をデフォルメしたようなデザイン。農協も売りさばいたため日本の田舎では根強い人気があります。大型で手軽に威張りたい向きにはたいへん便利な素材ですが、残念ながらステイタスにはなりません。
大型になるほど、暮らしや庭との調和、品の良さといった感覚からは遠ざかって家庭では難しい素材だと感じています。シンボリックな扱いなら使えそうですが、この燈籠は地震にも弱いため、使うには注意と工夫が必要かと思います。
このお宅の場合は、庭でお孫さんたちが遊ぶこともあって結局撤去することになりました。
そのあと、お宅にあった古い素材 ― 雪見や景石、水鉢、臼石、植栽、鉢植えなど― を見つけ出しては、ずらしたり、深く沈めたり、時にはひっくり返したりしながら使いました。
石畳は、軒内からつながっており、将来の駐車場化にも備えて十分な広さを確保。洗濯物も思い切り広げられるし、小さい子どもたちが来ればプールやBBQだってできます。
この庭は、奥さまの好みに添ってこれから大きく変わり始めます。
右手前には竹組でバラのスクリーン(袖垣)を作りピンクの春がすみや紫の小花ファイルフェンブラウなどを植栽、今後はさらにお好みのバラを配置し育てていきます。和風にバラ。四季を通して、大胆に個性的に変化していく様子が、とてもたのしみです。
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一年後のようす。 枯池にはヘンリーフォンダ。
建仁寺垣には、この1年で4mも伸びたニュードーンが誇らしげに咲いていました。
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